2021.6.26
なぜ、春でもない今、卒園式の記事が更新されるのか?疑問に思った方もいらっしゃるかもししれません。横須賀インターナショナルスクールのプリスクール(以下、YBS)は、アメリカの学校の新年度である9月に合わせています。そのため、アメリカの学校と同じように6月に卒園式を迎えました。今回は、初めて卒園生を送り出したYBSのAina先生にインタビューをしました。
担任の先生が目指したのは「愛がいっぱいの卒園式」
YBSプリスクールの年長クラス「ピタゴラス」の今年の卒園式のテーマは“All You Needs Is Love”。このクラスを年中・年長の2年間、担任を務めたAina先生は、「このクラスの子どもたちはみんな優しい心を持っていて、愛がいっぱいのクラスでした」と語ってくれました。
“All You Needs Is Love”のテーマに込められたのは、クラスのお友だちに対しての愛だけではなく、お父さんとお母さんへの感謝の気持ちでもあります。卒園を迎えるまで、大切に育ててくれたお父さんとお母さんに、成長した子どもたちの姿をみてもらいたいという気持ちと合わせて、感謝を伝えられる式にしたいと、このテーマになりました。
“All You Need Is Love”は、今回の卒園式のテーマになる前から、クラスの子どもたちにとって、大切なものになっていました。そのきっかけは、Aina先生がクラスの子どもたちのために用意した絵本『All You Need Is Love』。Aina先生がクラスの子どもたちとAll You Need Is Loveの歌に合わせて踊ったり、絵本を読み聞かせしたりしているうちに、子どもたちも大好きになりました。
ビートルズの曲のタイトル“All You Need Is Love”のように、お友だちを思いやる優しさや愛を持っている子どもたちをイメージして、卒園制作や卒園式の装飾が制作されました。
バイリンガルでのスピーチに挑戦
卒園式は、パパとママが子どもたちの様子参観できる貴重な機会だからこそ、子どもたちの成長を保護者の方にも見せてあげたいと、“将来の夢”を1人づずつ発表しました。子どもたちはそれぞれ、自分の“将来の夢”の絵を書いて、日本語と英語のバイリンガルでスピーチを行いました。
「アメリカ人の子は特に、日本語が長くなかなか覚えるのは大変で、サポートが必要でしたが、みんな頑張ってくれました」とAina先生は、当日の子どもたちの様子を思い浮かべながら、話してくれました。
“将来の夢”のスピーチ以外にも、クラスみんなで歌う「ありがとうの花」の練習や、卒園証書の受け取りの練習にも取り組んできた子どもたち。YBSは、登園日数が選べるフレキシブルな教育環境のため、行事の際には登園日数によって、子どもたちの練習時間に差ができてしまいます。しかし、先生たちのフォローもあり、どの子も上手に終えることができました。
バイリンガルな環境で過ごした子どもたちへ 先生たちの想いとは
担任を務めたAina先生は2年前に、このクラスの子たちの担任になったときのことを振り返りながら、子どもたちへのメッセージを語ってくれました。
「自分ができないこと、苦手なことを拒否する子が多かったのが最初の印象でした。だからこそ、できないと思っていることでも、『1回は挑戦してみよう』と声をかけ、みんなの目標にしてきました。これからも、いろんなことに挑戦することを忘れないで、大きくなってほしいというのが先生の願いです。」
日本語と英語が混ざり合うバイリンガルな環境で、子どもたちはたくさんの新しい挑戦をしてきたでしょう。国籍や言葉が違っていても、お互いに思いやりを持って接することを学んできたYBSのピタゴラスクラスの子どもたち。これからも多様性を尊重しながら、自分らしく成長してくれることを、YBSの先生たちは願っています。