2022.12.2
YBS(横須賀バイリンガルスクール)のエレメンタリーの子どもたちが、横須賀市の猿島にフィールドトリップにいきました。猿島は、東京湾唯一の自然無人島として知られていて、「天空の城ラピュタの世界みたい」とネットでも話題になっています。
猿島は、かつて東京湾を守る要として、旧日本軍の砲台と弾薬庫のある“要塞の島”でした。戦後70年以上、近代遺跡・戦争遺跡としてそのままの自然が残されています。
YBSエレメンタリーの子どもたちは、横須賀の歴史、地理を知り、体験するため、猿島でのフィールドトリップを行いました。実際に、戦争で使われていた島を訪れ、戦争について学び、戦争に使われていた設備などを見ること・当時のストーリーを聞くことで、平和について考え、私たちの周りにある平和に感謝する機会にしたいという狙いもあります。
猿島の自然を探検し、子どもたちの探究心を刺激するフィールドトリップになるよう、先生たちも準備を進めてきました。猿島でのフィールドトリップ“Adventure of Monkey Island!”の様子をレポートします。
三笠公園から猿島行きの船に乗ります。船の上では、先に見える猿島を見ながら、子どもたちはこれから始まる冒険に胸を膨らませていました。船に乗ること約10分ほどで猿島に到着。あっという間の船旅です。
猿島に着くと、子どもたちは足早に船を降り、島に上陸したワクワクする気持ちでいっぱいでした。
まずは猿島専門ガイドさんから、猿島の歴史について、紙芝居で学びました。
スクールから徒歩と船でたった20分で行けるほどの距離にある猿島ですが、猿島の歴史をあまり知らなかった子どもたち。ガイドさんからのお話で、これから始まる猿島の冒険に、より好奇心を持ついいきっかけとなりました。
猿島の歴史を学んだら、島の探検をスタート!実際に、自分たちの目で、猿島の歴史の跡を見つけて行きます。
猿島にはいくつものレンガのトンネルが残されています。トンネルのレンガは、「フランス積み」と呼ばれる積み方で、美しい模様が作られていることや、仕掛けなども学びました。
子どもたちが歩いたこのトンネルは、旧砲台関連施設で、トンネル内には弾薬庫などの施設の跡がありました。
実際に島内にある弾薬庫の中に入って、重い弾薬がどのように倉庫に運ばれていたのかなど、当時の仕組みをガイドさんから教えてもらいました。
さらに、当時使われていたトイレの跡や、兵士が休息をとっていた場所なども見学しました。
その当時、戦いが行われていた事を想像し、びっくりする子、思いにふける子、一人ひ
とりがそれぞれの想いで戦争を受け止めていた様子でした。戦争を経験したことのない子どもたちが、戦争があった時代に思いを馳せる良い機会となったはずです。
猿島は、海上から見てもわかるように、豊かな緑に覆われた島です。猿島には、タブの木の森ができていて、三浦半島に残された数少ない原生林とも言われています。さらに、猿島にはシダ類がたくさん生育し、空気中の湿度も高くなっているので、多くの植物の生活に適しています。
島を探検しながら、島の自然も観察しました。その中でも、特に子どもたちが興奮していたのが、猿島に生息する蝶アサギマダラ。
なぜなら、子どもたちが好きなアニメ「鬼滅の刃」に登場するキャラクター『胡蝶しのぶ』は、「アサギマダラ」 をモチーフにしているからです。島探検しながらみんなで必死に探すも見れず・・・残念がっていました。
ところが、島を出るほんの10分前に、なんと浜辺に一匹のアサギマダラが来てくれました!これも子どもたちにとって、印象に残る出来事でした。
夏は、BBQで賑わう猿島の浜辺。実は、猿島は日本で一番砂鉄が取れる浜辺なんです。子どもたちは、磁石を使って浜辺での砂鉄取りに夢中になっていました。
また、ある子は浜辺で、貝殻やシーグラスなどを集め、「宝物にする!」と大切そうに持ち帰っていました。
森だけではなく、砂浜や海で遊べるのも、猿島の魅力の1つですね。
フィールドトリップの魅力は、実際に自分たちで見たり、体験したりしながら学びを深められることです。好奇心や探究心が刺激され、教科書では学べないリアルな学びに溢れています。
今回のフィールドトリップでYBSの子どもたちは、積極的にガイドさんに質問をしていて、その反応の良さにガイドさんも驚くほどでした。
また、今回のフィールドトリップでは、スマホを持っている子どもに、スマホでの写真撮影を許可することにしました。「自分たちの目で見て感動したものを、お母さんお父さんにも見せてあげたい!」その想いで、子どもたちは、目を輝かせながら、撮影することに夢中になっていました。子どもたちにとって写真が、感動や学びを伝えるツールとなったようです。
目に映るもの一つ一つに、たくさんの好奇心をもって観察していた子どもたちの姿がとても印象に残るフィールドトリップとなりました。
探究心に溢れた猿島での冒険は、きっとこれから子どもたちが歩んでいく新しい冒険につながっていくことでしょう。