2024.7.30
近年、公立校や私立校など一条校(学校教育法に掲げられている学校)以外の教育の選択をする人が増えています。例えば、不登校の子どものためのフリースクールも一条校以外の学校になります。
そのように、学校独自の方針を採用している学校は「オルタナティブスクール」と言われています。この記事を読んでくださっている方は、すでにご存じの方もいるかもしれませんが、オルタナティブスクールでは、個性や主体性を尊重した教育に力を入れているのが特徴です。
オルタナティブスクールは、アメリカやヨーロッパの哲学的思想をもとに発展してきました、しかし、まだまだ日本では馴染みのない教育ですよね。そこで今回は、オルタナティブスクールの特徴とメリットについてご紹介します。
「オルタナティブ(alternative)」とは「もう一つの」という意味です。学校教育法によって規定されている指導要領・運営体制に基づいている公教育とは違う「もう一つの学校」となります。
オルタナティブスクールは、学校法人として運営されているところはごく一部で、ほとんどがNPO法人や一般財団法人として運営されています。無認可校に当たるオルタナティブスクールに毎日通っても、法的には不登校扱いとなり、卒業資格が得られない場合もあります。
そのため、義務教育期間中は、地元の学校にも在籍し、連携をとっておくことで卒業資格を得ることができる場合もあります。オルタナティブスクールに通う際には、地元の学校にも相談しておくのが安心かもしれないですね。
オルタナティブスクールは、アメリカやヨーロッパの哲学的思想をもとに発展してきた「オルタナティブ教育」を取り入れている学校の総称です。オルタナティブ教育では、子どもの個性を尊重し、自主性を重視した学校独自の教育が行われています。
一般的に学校といえば、子どもが机に向かって同じ授業を受けるというイメージがあるでしょう。しかし、オルタナティブ教育では、大人は教師という立場ではなく子どもをサポートするスタッフという位置付けであったり、少人数で異年齢の子どもたちが一緒に学んだりという教育のスタイルをとっている学校も多く存在します。
オルタナティブスクールでは、独自の教育方針をとっているため、すべての学校が同じとは限りません。「子どもにどんな力を伸ばして欲しいか」、「子どもの可能性を伸ばすために適した環境はどんなところか」などを考えながら、実際に見学や体験にいき、お子様にあった学校を選ぶのが良いでしょう。
オルタナティブスクールと一言で言っても、取り入れている教育法によって特徴は大きく変わります。では、主にどのような種類があるのでしょうか?
シュタイナー教育とは、ルドルフ・シュタイナーが提唱した教育法です。「一人ひとりの個性を尊重し、個人の能力を最大限に引き出すことで自由な生き方ができる人間を育てる」ことを目指しています。芸術性を大事にし、同じ教科を数週間続けて学ぶという特徴があります。
サベトリー教育は、授業もテストもクラスもありません。先生という立場の人はおらず、学校にいる大人は子どもをサポートするスタッフだけです。子どもたちはルールの範囲内で自由に行動でき、学校で何をするのかも全部自分で決めるというのが大きな特徴です。
「世界で一番自由」ともいわれるサマーヒル教育は、世界で最初に開設されたフリースクールと言われています。必要なテーマは子ども自身が決めていくことが学びの本質であると考えていた創設者ニールの思想を受け継ぎ、授業が選択制です。
また、子ども達の「権利」や「自律」を尊重できるように工夫され、授業の選択から参加・不参加までも子どもたちが会議で決めるのが特徴です。
フレネ教育では、既存の教科書を使わず、子どもたちが興味を持ったことを自分のテキストに書き記していくという教育方法をとっています。また、年齢の違う子どもに囲まれながら、活動計画表に従って学んでいくという特徴があります。
これまでは、義務教育といえば地元の公立の小学校か、受験をして私立の小学校に通うのが一般的でした。ですが、多様性が広がっている現代では、学校選びや教育観も多様になっています。
教育観・学校の環境に共感し、心地いいからという理由で、オルタナティブスクールを選ぶ子ども・保護者もだんだんと増えてきています。
子どもの個性や自主性を伸ばしていきたいと考えている保護者の方は、オルタナティブスクールなど、一条校以外にも視野を広げて、お子さまにあった学校を探してみてはいかがですか?
YBSエレメンタリーでも、子どもの個性・主体性を尊重する授業を行っています。
こちらの記事では、YBSエレメンタリーで行っている授業を紹介しています。
・アートクラスの記事「子どものクリエイティビティを育てるアート活動@YBSエレメンタリー」
・エキスパート授業の記事