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子どもの探究心を広げる探求学習!エクスパート授業とは?

2022.5.13

エクスパート授業というのを聞いたことありますか?この学習法は、教育学者のキーラン・イーガンの研究『深い学びを作る』で提唱される、子どもの探究心を広げていく学習法です。

 

エクスパート授業ではこのような流れで学習を進めます。

 

1:先生が子どもに課題(問い)を与える

2:子どもたちが自分なりにその課題に対する資料を集め、調べる活動を行う

3:調べたことを自分の言葉で仲間に発表する

 

この流れを繰り返しながら、関わり合いを通して一人一人が学びを深めることが目的となっています。

 

日本の小学校ではまだあまり馴染みのないエクスパート授業ですが、YBS(横須賀バイリンガルスクール)では、昨年からこの授業を導入しています。

 

今回はYBSで、このエクスパート授業を初めて導入された、1・2年生担任のウォレッツ先生にインタビューしました。

 

エクスパート授業を導入されたきっかけを教えてください

私自身、高校の3年間このエキスパートプログラムを経験しており、その効果を大変実感しています。そのため、探求心旺盛なYBSの生徒のみんなにまさにぴったりだと思い、カリキュラムを再構成している際に提案しました。この時代に必ず必要な「調べる力」と「発表する力」を育てるきっかけになればと強く思っています。

 

YBSではどのようにエクスパート授業を実践されていますか?

本来は先生が子どもにテーマを与えますが、YBSでは一つのテーマを子どもたちに選んでもらい、そのテーマについて自分で調べ、深く学んでいきます。毎週授業内では、その週に調べたことをクラスのみんなに発表し、学び合いを促進します。その中で伝わりやすい発表の仕方は何か、発表を聞く姿勢の練習にもなっています。

 

実際にエクスパート授業を実践されてどんな変化がありましたか?

実際にエキスパートプログラムを導入し、子どもたちの調べる力とまとめる力の高さを実感しています。また、保護者の方より、毎週子どもと楽しく調べ学習をしているという声をとても多く聞くので、家族間のコミュニケーションのきっかけになっているという点は思いがけないプラスだと思います。

 

また、子どもたちも毎週お友達の発表を聞くのを大変楽しみにしており、先週よりも面白い内容に仕上げようと意気込んでくれるのが嬉しいです。

 

それに加え、月一度は Newtonクラス(幼稚園年長レベル)と Columbusクラス(小学校1・2年生レベル)の合同発表会があり、年上のクラスから学び、年下のクラスへの伝え方の練習になっています。

 

エクスパート授業を実践して難しいと感じるところはありますか?

 

難しいと感じているのは、授業時間内での発表の時間配分です。みんなの調べ学習をしてきてくれる量が増えたため、80分の中で全員の発表を終わらせるのが厳しいときも増えてきていますので、より効率的かつ、平等に発表できる方法はないか模索中です。

 

エクスパート授業を通して子どもたちにどんな成長を期待していますか?

エキスパートを続けることにより、調べる力はもちろんのこと、自分自身で常にアンテナを巡らせ、自分のテーマに物事を繋げられる力やまとめる力、効果的に発信する力の成長を期待しています。

 

また、お友達のテーマとの共通点を最近見つけることができるようになってきているので、コラボしたプロジェクトをできるようになるといいなと思います。

 

最後に

日本の小学校では、“教科書から学ぶ”学習スタイルが主になっていて、子どもの興味や関心を伸ばす探求学習は、欧米の小学校に比べまだまだこれからというように感じます。子どもたちが将来、世界で活躍できるようになってもらうためにも、小学生のうちから調べる力と発表する力を伸ばしていってほしいですよね。

 

YBSでは、将来世界で活躍できる子どもを育てるため、探求学習をはじめとして、日本の小学校教育に縛られない新しい学習法を導入していきます。

 

この記事を書いた人

 

高梨はるな

大学卒業後、オーストラリアに渡り海外生活を経験し、オーストラリア人の人生を楽しむ国民性に影響を受ける。帰国後、会社員を経て、自由で自分らしい働き方を実現するため、フリーランスでライター・動画クリエイターとして活動。受け取り手に寄り添い、共感性を大切に発信している。