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前を向いて走り続けてきた10年  創業の想いとこれからの未来 〜横須賀バイリンガルスクール代表 井上芙美のインタビュー〜

2022.11.20

2013年11月に、横須賀の雑居ビルからスタートした横須賀バイリンガルスクール(YBS)が、2023年の今年、10年目に突入します。

YBSの10年間の挑戦や葛藤、そして、これからの未来のビジョンをYBSの代表井上芙美さんに、インタビューしました。

YBSをスタートしたきっかけは?

私は当時、他の会社で保育園事業の社長をやったんですけど、横須賀の保育園が潰れてしまうと連絡があり、『いきなり保育園がなくなったら、お母さんたちも困ってしまうので、誰か助けてください』っていう声がかかって見に行ったのが始まりです。

 

その保育園は、雑居ビルの中でやってた保育園なんですけど、つぶれかけたその保育園で、アメリカ人の子どもと日本人の子どもが、一緒にレゴの取り合いをしている姿をみて、その時に日本人の子供が英語で「That’s mine(それ僕の)」って言っていたんです。

 

私がその当時、横浜の認可保育園で一生懸命に英語を教えようと、お金をいっぱいかけていた立派な保育園では、英語を喋れないのに、『友だちと喋りたい』とか、『友だちにこんなこと伝えたい』っていう思いがあるだけで、言葉ってこんなに覚えるものなんだっていう瞬間を見て、すごい鳥肌が立って「これを広げて行きたい」「この体験をいっぱいさせてあげたい」っていう思いで YBS をスタートしました。 

これまでの10年を振り返ってみて大きな変化になったことは?

YBSの通過点の1つは、雑居ビルの保育園だったところから横須賀の中心地のタワーマンション中に移転したのがまず1つです。

 

外国人と日本人の子どもたちが共に学び、共に成長するっていうYBSが、こじんまりしていてはいけないと思って、結構な覚悟でタワーに移転しました。

 

4年前には、YBSが認可保育園と認可外保育園に分かれて、YBSが認可外保育園として神奈川歯科大学のキャンパスに移転してきたのが2つ目の大きな挑戦です。

元々の仲間も半分になって、違う道を歩むことにはなってしまったのですが、新しい環境でも今まで培ったYBSの環境を再度つくることが挑戦となりました。

YBSをこれまでやってきて1番よかったと思うことは?

私も働きながら子育てしてているんですけど、なかなか習い事に行かせてあげられないとか、英語を習わせてあげれないんですよね。でもYBSでは、保育園で英語も学べたり、畑に行ったり、いろんな体験学習したりとかを、「やらせてあげたいことを保育園で叶えられてるよ」っていう保護者の声を聞くと、やってて良かったなって思います。

 

あとは、小学校をつくったのも1つです。日本語喋れるようになって、日本の文化とか、日本にもっと馴染みたいなという外国人の子どもたちが、YBSエレメンタリーで学べているので、YBSがそのお手伝いできてることも、すごくやって良かったなーって思ってます。

 

今、1番力を入れて取り組んでいることは?

 

元々、外国人の子どもたちが日本の小学校に行きたくても、保護者が日本語を喋れないと日本の公立の小学校に入学できなくて、アメリカ人のお母さんが泣いてる姿見て、『それってあっちゃいけないことだな』って思い、2017年に小学校、YBSエレメンタリーを設立しました。

 

今は、YBSエレメンタリーのケンブリッジ認定に向けて取り組んでいます。

 

今の日本の教育の制度では、住んでいる地区によって学校が決まってしまったり、日本語だけで学ぶことになったりしてしまいます。でも本来なら、もっと選択肢があっても良いと思うのです。

 

日本人の子どもたちにとっても、横須賀に住んでて、この国際色豊かな横須賀で、英語で勉強したり、もっと違う視点で色んな体験をしたりしながら、学べる場所があるべきじゃないかと思って、エレメンタリーに力を入れています。

 

新たに挑戦していきたいことは?

スタートした時から目指しているのは、アメリカの子どもたちが自分の国に帰った時に、『日本ってすごい良かったよ』とか、『日本が私のホームタウンなんだよ』って言ってくれる子どもたちを増やすことです。どんどん『日本っていいね』って言ってくれることが、まずすごいことだなって思っていて、それをしっかり増やしていきたいなと思ってます。

 

私がこの10年間、特にこだわってきたのは、人生が変わるような保育園や小学校の教室をつくることです。当たり前の友だちや先生が、人の人生を変えうる場所になるというのを、YBSをつくって感じています。だから、人生が変わるような場所をしっかり作っていきたいです。

 

また、日本人とアメリカ人が、言葉が通じないながらも一緒の場所にいるのは、すごい素敵なことだと思うんです。1つの教室や学校で生まれる言葉を超えた絆が、どんどん深く繋がっていくことで、世界が変わると私は信じています。だから、このYBSがアメリカ人にとっても、日本人にとっても、国境を越えた場所で活躍するきっかけになればいいなと思います。

 

YBSの子どもたちはどんな存在?

 

子どもたちは、私にとっては一緒に前に進んでいく仲間だと思っています。一人一人の言葉に耳を傾けていきたいと思ってるし、もっともっと一緒に時間を過ごしたいです。 

 

1番大切にしていることは?

YBSをやっているうえで大切にしていることは、子どもたちが、世界中に友だちができて、どこに行っても助けてくれる友だちがいるようになることです。いろんな人との繋がり、絆をつくれる場所が教育だと思っています。

そして、選択肢を広げて、いろんな選択肢を持っている子どもたちになってほしいなと思っています。

 

YBSに通う子どもたちの保護者の方へメッセージ

色々な選択肢がある中で、YBSを選んでくれていることに、すごく感謝しているし、一緒に進んでくれているのが心の支えでもあるので、

これから何か一つでも誇れる場所になるように、

 

英語をやらせてあげたいとか、日本だけじゃなくて世界に羽ばたいて欲しいなとか思ってる保護者の方が、YBSに通うことで実現できるようにしていきたいと思っています。

 

今の日本の制度からすると、理解がしにくい部分もあるかもしれないですけど、ちゃんと前を向いて取り組んでいるので、これからも一緒に進んでいきたいなと思っています。

 

インタビュー・記事執筆:

高梨はるな