2022.11.1
近年、日本でもハロウィンを楽しむ文化が定着してきました。特に子どもたちは、仮装をしてお菓子をもらうことを楽しみにしています。ですが、ハロウィンの起源や、国によって文化や過ごし方に違いがあることをご存じですか?今年からより、ハロウィンを楽しめるように、ハロウィンの起源や世界各国のハロウィンの過ごし方を紹介していきます。
ハロウィンは死者を祝うお祭りというのは、聞いたことある方も多いのではないでしょうか?ハロウィンというと、アメリカの祭日をイメージする人が多いかもしれませんが、実は、現在のスコットランドやアイルランドに暮らしていた古代ケルト人が行っていた祭礼「サウィン(Samhain)」が起源だといわれています。
古代ケルト人は元旦を11月1日とし、大晦日である10月31日の夜には「サフィン祭」という祭りを行ったとされています。サウィン祭は、「夏の終わり」を意味し、収穫を祝うための祭事でした。
また、10月31日は、現世と霊界を分ける境界が弱まり、死者の魂が家族のもとへ戻ってくる日としても信じられています。亡くなった人が、あの世から戻ってくるというのは、日本のお盆とも共通する文化ですね。
現世と霊界の境界が弱まることで、ご先祖様の魂だけではなく、悪霊や魔女もやってくると考えられています。そのため、恐ろしいものを追い払うために、不気味な仮面をつけていたとも言われています。その習慣が現在まで受け継がれ、「魔女」「吸血鬼」「おばけ」などの仮装が定番となっています。
ハロウィンの起源は古代ケルト人であるため、キリスト教の行事ではありませんでした。しかし、19世紀になるとアイルランドやスコットランドから、アメリカへの移住者が増えました。それに伴いハロウィンもアメリカに広まることになります。
20世紀になる頃には社会・宗教・人種に関係なく、ほとんどのアメリカ人に認知されるようになり、やがて”アメリカの祭日”として正式に認められるようになりました。
独自の文化も混ざりあい、現在の「アメリカ式ハロウィン」が世界にも広まったと言われています。
ハロウィンといえば、アメリカをイメージする人が多いほど、毎年盛り上がっている印象がありますよね。ハロウィンの前から、カボチャを顔の形にくり抜いた「ジャック・オ・ランタン」が定番です。
子どもたちは仮装をして、「トリック・オア・トリート」と唱えながら、お菓子をもらうことを楽しんでいます。幼稚園や小学校でも定番のイベントの1つとなっています。
また、大人も仮装をして、友人と集まりパーティーを楽しんでいます。それぞれ世代によって楽しみ方は違うけれど、多くの人が楽しみにしているイベントの1つと言えるでしょう。
ハロウィンと同じ時期に、メキシコでは「死者の日(Dia de Muertos)」があります。死者の日は、映画「リメンバー・ミー」で知った人も多いのではないでしょうか。10月31日から死者の日の前夜祭が始まり、11月1日・2日に祭りが行われます。
メキシコの人々にとって死者の日は、死者の魂とともに楽しいひと時を過ごす陽気な祭り。 ハロウィンのような恐ろしさとは無縁の祭りです。
街中はカラフルなガイコツグッズなどで装飾され、死者の魂を迎える準備がされます。死者の日には、家族のもとに戻ってきた死者の魂を敬い、親族が集まって食事や演奏・踊りを楽しむ日となっています。
ハロウィンの発祥の地であるアイルランドでは、今でも伝統を大切にし、「秋の収穫祭」や「悪霊を祓う祭り」が各地で行われているようです。アイルランドには、ハロウィン休みがあり、10月最後の月曜日は学校がお休みになります。
アイルランドでは元々、ジャック・オ・ランタンは、カボチャではなくカブで作られていました。
ハロウィンの日には、アイルランド伝統のケーキ『バーンブラック』を食べるのが定番。ケーキの中に、指輪やコイン、ボタンが入っていて、何が当たるかで占います。指輪が当たった人はその年に結婚できる、コインが当たったらお金持ちになれるなどと言われているそうです。
ドイツでは、10月31日から11月8日までAll Saints Dayとして祝います。
ドイツの慣習では、ハロウィンは亡くなった人が悪事をはたらく恐ろしい日と考えられていて、ナイフをすべて隠します。あるいは、死者の魂を傷つけないようにするためという説もあります。
ハロウィンを通して、世界各国の文化を知るきっかけになりましたでしょうか?ハロウィンは元々、死者を祝う祭りであり、同じような文化は他の国でも見られることがわかりますよね。
このように、日本の文化と、海外の文化の違うところ、同じところを見つけることは、子供にとって多様な価値観を育むことに繋がるでしょう。