YBS GROUP

Blog

子どもの表現力を育てる!欧米の教育での取り組みとは?

2022.9.16

2020年からの新しい教育体制で、重要視されている項目の一つが「表現力」です。アメリカやカナダ、オーストラリアなどの欧米圏では、幼稚園や小学校から『Show&Tell』というプレゼンテーションが積極的に教育に取り入れられています。『Show&Tell』は、クラスメイトの前で自分の好きなものや、最近の出来事などについて発表し、自分の考えなどを表現する機会となっています。

一方で日本人は、大勢の前で自分を表現することに慣れていない人も多いのではないでしょうか?他の国と比べて、日本人は自己表現が苦手な傾向にあることを、あなたも感じたことがあるでしょう。その原因として、これまでの日本の教育では表現力を鍛える機会が少なかったと考えられています。

そこで、今回は日本の子どもたちの「表現力」の必要性と、欧米での教育の取り組みについてご紹介します。

日常生活の中での自己表現の機会が減っている

表現力を高めるには、子どもの頃から積極的な大人との対話をして言葉を引き出すことが大切だと言われています。なぜなら、表現力を育てるためには、会話のボキャブラリーが充実していることが大切だからです。自分の気持ちを表現したくても、言葉を知らなければ伝えることができません。子どもたちは、お父さんやお母さんなど身近な大人から、日常生活の会話を通して言葉を習得していくため、大人との対話は欠かせません。

 

また、言葉を通じて自身の気持ちや体験したことを相手に伝えるためには、実際にアウトプットする環境も必要です。言葉による表現力を鍛えるためには、新しい言葉をインプットする力と自分なりの伝え方でアウトプットする力、それぞれをバランスよく伸ばしていくことが求められます。

 

しかし、現代では共働きの家庭が増え、テレビやゲームなどが子供たちの相手になり、大人との対話が減っているのが現状です。結果的に、子どもの表現力も伸ばす機会が失われてしまいます。

 

なぜ、表現力を伸ばす必要があるのか?

表現力は、自身が思っていることや感じたことを相手に伝える能力です。子どもは両親や友だちなど周囲の人たちと話し触れ合い、コミュニケーションをとることで社会性や協調性を身につけます。つまり、表現力が乏しいと、社会性や協調性といった他人と行動を共にする能力が十分に身につきません。その結果、「集団に馴染めない」「感情をあまり表に出さない」など、円滑にコミュニケーションを取ることが難しくなります。

 

また、グローバル化が加速していくこれからの時代、プレゼンテーションを幼少期から鍛えてきた欧米圏の人たちとも肩を並べて、自己表現をすることが求められるでしょう。グローバル社会でより活躍し、成功していくためには、自分の考えや意見を適切に相手に伝える力はさらに求められるはずです。

 

表現力を伸ばすだけではない!欧米の教育カリキュラムに取り入れられている「Show&Tell」とは?

Show&Tellは、自分を表現する機会となるだけではなく、このような力も伸ばすことができると言われています。

 

プレゼンテーション能力が身につく

show&tellは、プレゼンテーションに近いため、幼い頃から取り組むことで、プレゼンテーション能力が育まれていきます。また、人前で話すことにも慣れていくため、社会に出てからも自分の意見を堂々と言えるようになったり、周りに流されることなく自分の意思をしっかり持てるようになったりします。

自己肯定感が高まる

ニューヨーク在住のフリーライター・堂本かおる氏によると、show&tellを通して、自分の好きなものを「好き」と言うことや、それを先生やクラスメイトに共感してもらうことで、子どもの自己肯定感が高まるのだそう。また、ほかの子どもの好きなものについて話を聞くことで、多様性を理解することにもつながるのだとか。

人の話を聞く力が育つ

成蹊大学法学部教授の塩澤一洋氏によると、show&tellは「いい聴衆」になる訓練にもなるそう。show&tellでは、目の前で発表するクラスメイトに注目し、時に勇気づけたり、喝采したり、賞賛したりする場面があります。さらに、それに対して的を射た質問を投げかけて、発表している子どもの話をさらに引き出したりすることもあります。show&tellを繰り返すことで、聞き手の子どもたちが、発表する子どもの話をおもしろくするために貢献できるようになっていくそうです。show&tellは、発表する側と聞く側の両方にメリットがあるといえるでしょう。

(引用:https://kodomo-manabi-labo.net/show-and-tell)

表現力を学習や遊びの中で育てる

子どもの表現力は、家庭だけではなく、スクールで伸ばすこともできます。横須賀バイリンガルスクール(YBS)では、クラスの子どもの前で発表する機会を積極的に設けています。例えば、アートクラスでは、自分の作品が完成した時に、クラスの子どもたちに発表することもあります。また、自分の好きなおもちゃをもってきて、クラスメイトの前でおもちゃの紹介や「なぜ好きか」「どこでいつ手に入れたか」などのshow &tellも行っています。小学生になると授業の一環として、自分がリサーチした事や作り上げたものをプレゼンテーションする時間も積極的に取り入れています。このように、普段の学習や遊びにプラスして、自己表現の機会をつくっているのがYBSです。

子どもとの時間をつくるのが難しい共働きの家庭でも、YBSに通うことで、プレゼンテーションや自己表現を鍛えることができます。特に、YBSは一人ひとりの個性を認め合うことを大切にしているので、子どもたちが安心して自己表現できる環境づくりにも力を入れています。

大人になってからも強みとなる表現力を子どものうちから育てていきませんか?