2021.12.3
国際社会において、多様性やグローバルを重視する社会のあり方が確立されつつありますが、日本ではまだまだ浸透していないのが現状です。
しかし、この記事を読んでくださっているパパやママは、世の中の動きを見据えて「グローバルに適応できる子に育ってもらいたい」と、グローバル教育にご興味があるかもしれませんね。
ですが、「グローバル教育=英語」と思い込んでいませんか?このように考えている方は多いのですが、実は、グローバル教育とは英語だけではなく、多様性を身につける教育なのです。
そこで今回は、多様性を身につけるグローバル教育と併せて、日本人が陥りやすい言葉の壁の克服法をお伝えします。
グローバル教育とは、人種や国籍などお互いの違いを受け入れ、尊重する人間性を育むこととも言われています。例えば、日本で生まれ育った場合、自分にとっては日頃からあたり前と捉えている価値観が、育った国や環境の違いによっては、そうではないことを知ることが子どもにとっての学びになります。ですから、英語が流暢に話せても、相手の気持ちを理解できなかったり、コミュニケーションがうまく取れなかったりでは、グローバルな環境で活躍することは難しくなってしまいます。したがって、多様性を認め、相手を理解し思いやるなどの人間性があってこそ、英語力が活かされるのです。
グローバルな環境や、グローバル教育がなかなか日本に浸透しない原因の1つとして、日本人には『言葉の壁』があるのではないでしょうか。実際に、日常会話レベルの英語力がある人でも、外国人と英語でコミュニケーションをとることに苦手意識を持っている人も多いでしょう。
日本人が言葉の壁を乗り越えるためには、日本の文化の壁を乗り越える必要があるとも言われています。グローバルな社会で活躍するための、乗り越えたい日本の文化とはなんでしょうか。
まず一つ目が、「恥の文化」です。アメリカの女性文化人類学者であるルース・ベネディクト氏が書いた著書「菊と刀」で、欧米人は内面の良心を重視する「罪の文化」であるのに対し、日本人は世間体といった他人の視線を気にする「恥の文化」であると述べています。日本人は恥をかくことを嫌い、「恥ずかしいか、恥ずかしくないか」という基準で行動を決定する文化なのです。その結果、恥を恐れ、英語で自分をアピールしたり、表現したりすることが苦手になりやすいと考えられます。
そして二つ目が、「完璧主義な文化」です。「恥の文化」と関連する部分もありますが、日本人は「間違えたら恥ずかしい」という意識を持っています。そのため、正しいと確信ができないと、英語を話すことをためらってしまいます。しかし、私たちと同じように英語を第二言語とする外国人(例えば、インド人、ブラジル人、中国人)の多くは、文法が分からなくても英語で伝えることが上手です。なぜなら、彼らは間違っていても、相手に伝わればOKという考えを持っているからです。よって、様々な国の人が集まる場で、日本人はなかなか自分から発言できず、周りに圧倒されてしまい、英語の自信を失いやすくなります。
英語習得に限らず、物事は失敗を重ねて上達するものです。しかし、日本人の多くは失敗を恐れることから、チャレンジする機会が減ってしまい、結果的に「言葉の壁」につながってしまうのではないでしょうか。
YBSで大切にしていることは「混ぜる」環境・教育です。YBSでは日本人とアメリカ人が共に学び合う環境があります。そこで、人種の違い、言葉の違い、文化の違いなど『自分とは違う世界がある』ということを知り、子どもたちは自然と違いを認め合うことを学んでいきます。
日本人とアメリカ人が混ざることで、日常的に言葉の違いを体験する子どもたちは、“相手に伝える”というコミュニケーションの本質を学んでいきます。正しく言葉を話せなくても、言葉以外のジェスチャーなども含め、自分の伝えたいことを相手に伝え、伝わる喜びを学ぶのです。子どもたちにとって、多様性のある環境は、違いが当たり前で、正解が1つではないことを学べる環境でもあるでしょう。よって、失敗を恐れず相手に伝える力を伸ばすことができます。