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【コロナに負けず】横須賀の自然を楽しむアメリカ人の子どもたち

2021.7.9

横須賀インターナショナルスクールの小学校(以下、YBSエレメンタリー)では、毎年サマースクールを開催しています。日本の小学生より一足先に夏休みを迎えた、横須賀米軍基地内の小学校に通うアメリカ人の子どもたちを対象に、サマースクールで体験学習を行いました。

米軍基地に暮らす、アメリカ人の子どもたちは、新型コロナウィルスの影響で、来日てもほとんど外に遊びに行けず、日本の楽しさをまだ知りません。今回の体験学習の開催には、限られた時間の中でも日本や横須賀の楽しさを知ってもらい、横須賀と縁があった彼らにとって、横須賀が第二のホームタウンになってほしいという想いがありました。

 

そこで、体験学習では、横須賀の自然の中で思いっきり遊んでもらおうと、横須賀にある「里山」を訪れました。今回はその体験学習の様子をお伝えします。

 

横須賀の自然が残る「里山」だからこそできる遊び

 

体験学習を含む 週間のプログラムのサマースクールには、キンダークラス(年長)から4年生の子どもたちが25人ほど参加してくれました。

 

横須賀市の里山は、生産や生活の場として利用されることが少なくなった里山的環境を環境教育の提供や、自然環境・生物の保全を目指し、人の手によって自然が守られている場所です。今回の体験学習では、三浦半島の生物の保全活動をされている天白牧夫さんに、ご指導いただきながら、里山ならではの遊びを子どもたちは楽しんでいました。

 

天白さんに案内していただきながら、里山を散策し、梅の実を拾ったり、虫取りをしたり、子どもたちは積極的に“珍しいもの”を見つけている姿が見られました。

 

天白さんが、竹を見つけるとその場で笛を作ってくださり、子どもたちは音を出す練習を楽しみ、もらった笛を宝物のように大切そうにしている子もいました。

 

里山の散策を終えた午後は、古民家で麦や、里山で見つけた花を使って、一人ひとりオリジナルのブーケ作りを楽しみました。子どもたちはそれぞれのクリエイティビティで個性的なブーケが出来上がり、お土産として持ち帰り。パパやママにプレゼントしました。

 

ブーケで使った麦にちなんだ、日本語の○×クイズをYBSエレメンタリーの先生が行いました。体験学習では、日本の自然に触れるだけではなく、日本語も学んでほしいという想いから、写真を見せながら日本語を使ってクイズを出題。子どもたちは、聴き慣れない日本語もありながらも、写真をヒントにクイズを楽しんでいる様子がみられました。

 

サマースクールという短期間の中でも子どもとの関係を築く

 

コロナ禍で、外で遊ぶ機会がなくなってしまった子どもたちに、自然の中で思いっきり遊んで欲しいという想いから、実現したフィールドトリップ。家にいる時間が長くなったからこそ、フィールドトリップでは子どもたちのエネルギーを発散できるように、子どもたちには可能な限り自由に遊んでもらったと、担当の先生が語ってくれました。

 

ただ、そこには安全管理という緊張感がつきものです。サマースクールに参加する子の多くは、初めてYBSに来る子どもたちのため、先生は子どもたちの信頼関係を築きあげるところからのスタート。共に過ごす時間が浅いため、危険やアクシデントを察知することも、普段のスクールよりも難しくなります。

 

しかし、先生たちの子どもたちを楽しませながら一体感を生み出す指導とサポートによって、安全に過ごすことができました。そのうえ、先生と子ども、そして子どもたち同士の心の距離を縮めることができ、子どもたちはとても楽しんでくれた様子でした。

 

今の子どもたちにとって、ゲームやPCが身近にあり、自然の中で遊ぶ機会が多くはないでしょう。だからこそ、この体験学習によって、木や竹など自然のものでも工夫すれば楽しいものになるという、気づきになったのではないでしょうか。

 

アメリカ人と横須賀の架け橋に

 

YBSが目指しているのは、バイリンガルな環境での教育だけではなく、横須賀に来てくれたアメリカ人の子どもたちとその家族にとって、横須賀を第二のホームタウンにしてもらうことです。横須賀に来るアメリカ人の家族は、横須賀を全く知らない人がほとんどです。慣れない日本での生活で、困難もあるでしょう。

しかし、限られた時間の中での日本での生活を、少しでも充実した楽しいものにしてもらえるように、彼らと横須賀を繋ぐ機会を提供できることが、私たちYBSの強みでもあります。せっかく横須賀に来てもらったのだから、帰国するときには「横須賀でよかった」そう思ってもらえるように、アメリカ人と横須賀の架け橋となるための活動を、YBSはこれからも続けていきます。