2024.2.1
自己肯定感という言葉を聞いたことはありますか?
自己肯定感とは、一言でいうと「自分を認めること」「頭がいいから」「容姿が優れているから」などの条件なく、ありのままの自分を正しく評価し、認める能力です。
内閣府が平成26年に発表した、満13~29歳の若者を対象とした意識調査調査によると、日本の若者は、「諸外国と比べて,自己を肯定的に捉えている者の割合が低い。」という結果がみられました。(参考:https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26gaiyou/tokushu.html)
その理由として、日本の教育は学力・学歴偏重が特徴的で、子ども達の不安を駆り立てているためとも言われています。
一方で、自己肯定感の高い若者が多かった国は、「アメリカ」「フランス」「ドイツ」です。自己肯定感が高いほど、大人になってから仕事や社会的に成功する可能性が高くなります。子どもが将来、社会に出て成功していくために、子どもたちは、自分のできることに誇りを持ち、自分の長所と短所を的確に評価できるようになる必要があります。そのためにも、子どもの自己肯定感を高めてあげることが、子育てや教育において大切なことなのです。
自己肯定感の高い子どもが多い「アメリカ」のサイトから、自己肯定感を高める方法について紹介していきます。
アメリカ心理学会の研究によると、良い自尊心を持つことは、ポジティブな心の健康と幸福に不可欠であることが示されています。また、子どもたちが共感力を養い、対処能力や忍耐力を身につけることに役立つのです。その逆に、自己肯定感が低いと、さまざまな精神的な問題を引き起こす原因となったり、生きづらさを感じやすくなってしまいます。
その他にも、このような点で自己肯定感を高めることで、人生における良い影響があります。
自尊心とは、子どもが自分に対して高い基準を持っていることを意味することが多いです。高い基準を持つことは、子どもたちが学校やそれ以外の場所でも目標を持つのに役立ちます。その結果、目標達成のための挫折や困難に対処する能力が高まるのです。そして、成功するまで粘り強く努力することを学び、最終的にはより多くのチャンスと幅広い人生経験を手に入れることができます。
良い自尊心は、質の高い人間関係を築くために不可欠な要素です。子どもは自分の価値を知ることで、他人の価値をよりよく理解できるようになります。そして、よりよい人間関係が生まれ、それが自尊心の向上につながります。このような成長のサイクルは、一生続くでしょう。
自分のことが好きな子どもは、自分の体を大切に扱います。彼らは通常、身体の健康に気を配り、定期的に運動する傾向があるため、病気からの回復も早く、全般的に健康です。
温かく愛情に満ちた親との関係は、自尊心の基礎となります。親との温かい愛情に満ちた関係は、子どもたちに価値ある存在であると感じさせ、大切にされていることを実感させます。ここでは、子どもとの関係を強化し、子どもの自尊心を高めるための具体的な提案を紹介します。
音楽が好きなら、一緒に音楽を聴いたり、演奏したりする。本が好きなら、図書館に連れて行ってあげましょう。子供と関わることは、子供があなたの時間と注意を払う価値があると示すことです。
一人一人を個性としてとらえ、それぞれに合った方法で接するのが大切です。
子どもがベストであることではなく、ベストを尽くしたことや新しいことにチャレンジしたことを褒めるのです。そうすることで、子どもは自分の努力を自分自身でも評価できるようになります。
不快な感情に対処する方法を教えれば、最終的に自己調整能力を身につけることに繋がります。
選択肢を与え、子どもが自分の人生を合理的にコントロールできると感じられる機会をつくってあげましょう。
努力をほめ、忍耐に報酬を与えることです。そうすることで、子どもの回復力が養われます。
子どもたちは、学校や他の場所で困難な社会的状況を経験することがあります。そのような場面でロールプレイをしたり、話し合ったりしてみましょう。そうすることで、子どもはこうした状況に備え、自信をつけることができます。
子どもが完璧であることを期待しないでください。その代わり、失敗を学習の機会にしましょう。
子どもはその期待に応え、あるいは期待を超えるように努力できます。その結果、彼らの自尊心が育まれます。
子どもがしている正しいことに注目し、その行動を褒めましょう。そうすることで、良い行動が強化され、悪い選択をしなくなります。
上記のように、子どもとの関わりが最も深い、親子の関係性づくりは、子どもの自己肯定感を高めるために欠かせません。しかし、その次に子どもと接する時間が長いのは、学校の先生です。
つまり、子どもと先生の関係性や、学校の教育環境も、子どもの自己肯定感を高めるために、重要な役割を担っていると言えるでしょう。学校でも、「先生や友だちは自分のことを認めてくれている」「自分の良いところを褒めてくれる」という経験を重ねるほど、子どもの自己肯定感は高まります。そのため、子ども1人ひとりの個性や良いところを見つけ、伸ばしてくれる環境が、自己肯定感を高めるための理想的な学校教育です。
横須賀バイリンガルスクール(YBS)は、アメリカ人と日本人がともに学ぶ、多様性に溢れたスクールです。だからこそ、これまでの日本の教育に行われている“右向け右”のような、みんなが同じ方向に進む教育よりも、1人ひとりの個性を大切にした教育を行っています。
子どもが、個性を発揮するためには、まず、子どもたち同士が違いを認め合えるようになることです。だからこそYBSの先生たちは、子どもたちそれぞれの得意なことも、苦手なことも受け入れ、多様性を大切にすることを子どもたちに教えてくれています。
自分の個性を発揮し、それを認めてもらえる環境があるからこそ、YBS子どもたちはのびのびと、日々成長を重ねています。
参考:https://soulshoppe.org/blog/2021/12/16/self-esteem-for-kids/